2016/03/13

DYM - スッポンポンサーチ正規代理店(3つ星)

株式会社DYM に所属する数十名がタイの高級リゾート地「ホアヒン(フアヒン)」で全裸となり、国際的な騒動となったのは既にテレビや新聞を含む多数のメディアで報じられたとおり(*参照1参照2)。言うまでもないが、公衆の面前で全裸となることはタイにおいても日本と同様の犯罪行為であり、
“現地警察により公然わいせつで訴追される可能性があったものの、既に社員らは出国しているため、行うことが出来ないとしている。しかし、既に社員リストは入手しており、次回入国時に聴取を受けるか、場合により逮捕される可能性もある” *ソース
とのこと。

この件に関しては、「SEO の神」と呼ばれ、最近では「火の神」とも畏れられる辻正浩氏が当初から言及しており、一連のツイートがまとめられている。
DYMの悪評をソーシャル上に書くと、会社員なら社長にクレーム電話/フリーなら弁護士連絡という噂

DYM のタイにおける破廉恥行為が日本と日本人の評価を著しく低からしめるものであったのは間違いない。ただし上掲のリンクからもうかがえるとおり、質の低い外部リンク中心のSEO や「風評被害対策」など、DYM の事業内容が限りなくブラックに近いダークグレーであったことのほうが、中長期にわたる日本のデジタルマーケティングに対する大きな害悪であったともいえる。

ところでこの株式会社DYM が、Yahoo! JAPAN(ヤフー株式会社)の提供する「Yahoo!マーケティングソリューション正規代理店」に認定されており、かつ上位の代理店にのみ付与される3つ星を受けていることは、インターネット広告業界においてどのくらい認知されているだろうか。


もともと株式会社DYM のWebサイトは関連検索に対するスパムによって2010年にYahoo!検索のインデックスから除外されており(*参照: ヤフー、「虫眼鏡SEO」業者に制裁措置、インデックスから削除)、現在までその措置は継続されている。具体的には、当時DYM がWebサイトに用いており、社員のメールアドレスには現在まで利用している「dym.jp」での検索結果をYahoo!検索とその検索エンジン提供元であるGoogle とで比較してみると一目瞭然である。

 

なぜにヤフー株式会社は、自社の検索事業に害をなすものとして検索インデックスからの除外を決めたような悪質な事業者に対して、広告事業の代理店として認定を与えたのだろうか。確認できた範囲で、おそらく2013年6月あたりに代理店としての認定を受けたようだが……



広告主やメディアのビジネスとインターネットユーザーの利便性を支え、多くの利害関係者を抱えるインターネット広告配信プラットフォームにおいては、誰をエコシステム(生態系)に招き入れるのか、プラットフォームが慎重に吟味し判断する必要がある。プラットフォームに携わるビジネスパーソンには高度な倫理観が要求され、自身の利益を最優先に求めるあまりに「黒い猫でも、白い猫でも、鼠を捕るのが良い猫だ」(鄧小平)と考えてはならないことをあらためて肝に命じていただきたい。いや頼むよほんと。